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庭樹の枝先下近くの庭土を掘ってみると、地表から20〜60cmほどの深さのところから、黒い褐色の太さ数mmの細い根が出てきます。これらの根の先端は常に細胞分裂を繰り返し、伸長している白い部分があります。これは吸収根といわれ、土壌中の水分や養分を吸収するだけではなく、土壌中の酸素も吸収しています。細い根っこから吸収された水分や養分は太い根へ移動し、樹液として幹、枝を通って葉まで達します。
根の伸長成長はこの根端組織によって行われており、乾燥、過湿、空気不足など根にとって生活条件が悪いところでは伸長成長は停止し、根はひろがりません。このような場所では水分・養分などを吸収する根表面の面積が広がらないので、庭樹の正常な成長は阻害されます。庭樹を植えかえるとき、剪定鋏や鋸で太い大きな根をよく切ることがあります。これらの0.5〜2cm程度以上の太い根は庭樹が倒れないように、樹体を支持する働きがあります。細い根、太い根をいかに健やかに育てるかが、庭樹の生育に大きく影響を与えます。
水分・養分を吸収する細い根は、地表から30〜50cmほどの深さのところを、ほぼその庭樹の枝の先端あたりまであるいはそれ以上に伸びているといわれています。そしてその伸びた先端の方で水分・養分などの吸収を行っています。しかし庭樹の場合、家屋、塀、石組など、あるいは隣の庭樹の影響を受け、必ずしもそのようになっていない場合もあります。太い根は地表部ばかりでなく、樹幹直下50cm以上深いところまでも直根を伸ばし、地上部の大きな樹体を支えています。水分や養分の吸収する働きはほとんどありません。
根には菌類が着生して、生活している植物が多くあります。菌類が根の外部をつつむ外生菌根と、根の組織内部の中で生活している内生菌根とがあり、また別にVA菌根もあります。菌類は庭樹の根から炭水化物など養分を得て生活し、また菌類は根の根毛のような働きをし、土壌中から水分・養分を吸収し根に与えます。外生菌根は針葉樹やブナ科、カバノキ科樹木に普通にみられ、内生菌根はツツジ類、カエデ類などの仲間にみられます。きのこのマツタケはアカマツの根に付く外生菌根の一種としてよく知られています。菌根が形成されることによって、庭樹はより健全に生育することができます。除草剤、殺菌剤などの農薬や化成肥料の多量の投与は、これらの菌類の生育を危うくします。
←アカマツの菌根
←ウバメガシの菌根
幹に樹皮があるように、根にも樹皮があります。しかしその厚さは根の方が地上部より薄く、剥離し易く、皮目も明瞭です。その色調は褐色から暗褐色で、地上部の幹ほど変化に富んでいません。そのため根だけで、庭樹の種類を判定する事はほとんど不可能です。皮目の細胞は空気で満たされており、根の呼吸作用に大きな役割をはたし、土壌中での酸素と炭酸ガス交換の働きを行っています。
老衰した庭樹や病虫害などで衰弱した庭樹の回復法として、根切りや根継ぎが行われる場合があります。根切りは、文字どおり根を切ることです。根には元々根が損傷老化したとき、新たに元気な根を出さす働きがあります。この原理を利用した方法です。根継ぎには衰弱・老齢樹の回りに健全な樹を植えて寄せ継ぎのような方法で継ぐ場合、衰弱・老衰した樹の根を掘り出して、腐朽、枯死した根を取り除いた後若樹の根を継ぐ方法などがあります。しかしいずれにしても、むずかしい大がかりな仕事になり相当高度な技術が必要です。
根の勢いが強いといくら枝を切り詰めても成長を抑制することはできません。このようなときは枝を切り詰めるよりも根を切り詰める方が目的を達成しやすいです。
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