樹木医からみた庭樹の管理(ツ)

 

 

ツ キ ヌ キ ニ ン ド ウ

スイカズラ科 つる性常緑中木(寒地では落葉)

植栽場所
庭園樹 環境緑化樹
植栽、移植
日当たり排水の良い腐植質に富む肥沃な風の当たらない場所。3〜4月に行う。枝を切り落とし太い枝だけにする。
開花習性
花は新梢の先につく。環境が良ければ伸びた枝先に必ず花芽ができる。
施肥
整枝剪定後に発酵油粕を埋める。
整枝剪定
萌芽前に行う。2月伸びすぎた枝、枯れ枝を切り取る。
増殖
とり木 挿し木(4月)
主な病虫害 特に実害となる病虫害は発生しない。

 

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ツ ゲ ツゲ科 常緑広葉低木

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹 街路樹下木 
ツゲ 生垣 001
植栽、移植
4月または7〜10月までに行う。腐植質に富んだ肥沃な場所。痩せ地、半日陰地でも成育する。

ツゲ キンメツゲ樹形 001

開花習性
樹形を鑑賞する。よく似た名前でモチノキ科イヌツゲ(葉が互生、葉縁に低い鋸歯がある 果実は液果)がある。ツゲ=クサツゲ=ヒメツゲ(葉は対生 果実は朔果)
施肥
酸性土壌を嫌うので、石灰質を施す。牛糞堆肥を元肥として施肥する。
整枝剪定
年2〜3回(3,7,10月)軽く刈り込む。幹に発生する不定芽は早めにかきとる。樹冠下に敷き藁をする。
増殖
挿し木(4〜9月)実生(果肉除去採り播き)
主な病虫害
ツゲノメイガ
幼虫が新梢にクモ巣状の糸を張って葉を食害する。激しく発生すると枝、幹を枯らしてしまう。4月下旬頃からよく観察し、見つけ次第捕殺する。天敵が多いので農薬散布には注意する。

 

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ツ ツ ジ 類 ツツジ科 常緑低木 落葉広葉低木

植栽場所
庭園樹 公園樹 道路分離帯 環境緑化樹
植栽、移植
根張りが浅く、乾害を受けやすいので粘土質は避け、赤土や黒土で腐植質を多く含んだ軽い土がよい。芝生につつじを植えると、つつじの根の中に芝生の根が伸びてつつじを弱らせることがある。芝生の根をこまめに切るか、障害物を設けてつつじ類を護る。いや地現象がでやすい。日陰でもわりあいよく育つが、本来は日当たり排水の良い場所を好む。植え付けは常緑性つつじは3月〜開花期または9〜12月に、落葉性つつじは3月または11〜12月が適期。腐葉土やピートモス等を根元に厚めにひくと、新しい根がこの部分につくられ効果がある。アルカリ性土壌を嫌うので、植え付け前にpH5〜6に調整しておく。
ツツジ 乾燥害 002
ツツジ 土壌pH障害 003
開花習性
花芽は今年伸びた枝の先端に7〜9月の間に形成される。 常緑性ツツジ(ウンゼンツツジ、オオムラサキ、モチツツジ、アセビ、シャクナゲ、ヒカゲツツジ)、落葉性ツツジ(ドウダンツツジ、ネジキ、ミツバツツジ、レンゲツツジ、ゴヨウツツジ、コメツツジ、ウスノキ、ナツハゼ)がある。
ツツジ ウメノキゴケ 002
ツツジ ウメノキゴケ 004
ツツジ ミツバツツジ 001
ツツジ ミツバツツジ花 001
施肥
花の終わった直後と9月に発酵油粕または牛糞堆肥を施肥する。
整枝剪定
花芽は新梢の先端に付くので、常緑性つつじは花の終わった直後に刈り込みを行う。落葉性つつじは萌芽力が弱いので刈り込みは行わない。
増殖
挿し木(常緑性つつじ) 実生(落葉性つつじ)
主な病虫害
もち病
5月葉や花芽が黄緑色に膨らみ、やがて紅色をおびその表面に白い粉を吹いてくる。1〜2週間後には乾燥してミイラ状になる。白粉が病原体の胞子でこれが飛散し伝染するので、病斑部をみつけしだい早期に切り取り焼却処分に出す。
ツツジ もち病 001 ツツジ もち病 002
ツツジ もち病 004 ツツジ もち病 005
菌核病
花の病害で、花弁に酸性雨による斑点とよく似た淡褐色の病斑ができる。萎れ枯れた跡に黒いタール状の病斑ができる。樹勢には影響ないが美観を損ねるので、被害を受けた花は摘み取り焼却処分に出す。
褐斑病
葉に小さな褐色斑点ができ、やがて3〜5mmの大きさになり落葉する。伝染源となる落葉、罹病葉をていねいに集めて焼却処分に出す。
ツツジ 褐斑病 001
葉斑病
葉に葉脈に区切られた茶褐色の著しく美観を損ねる病斑が形成される。土壌乾燥、周辺の照り返しなど周辺環境が悪いと出やすいので注意する。
てんぐ巣病
枝、葉が矮小化し、美観を損ねる。見つけ次第切り取り焼却処分に出す。
ツツジ てんぐす病 001
ツツジ てんぐす病 004
黒紋病
葉に黒色微小隆起物がまとまってできる。罹病葉は早期落葉を起こさなく、秋遅くまで枝に付いている。
ツツジ 黒紋病 001
ボクトウガ
幼虫が地際近くから樹幹内部に侵入し材を食害する。株元に多量の虫糞を排出するので被害が容易に確認できる。穴を見つけ細い針金を上下につっこみ、材内の幼虫を刺し殺す。
ツツジ ボクトウガ フン 001
ツツジ ボクトウガ幼虫 003
ツツジグンバイムシ
葉裏から吸汁加害し、葉表はかすり状になる。葉の裏に水圧を上げ散水する。
ツツジ ツツジグンバイムシ 001

ルリチュウレンジ

2.5cmほどの黒色斑点を持つ緑色幼虫が群がって葉を食害する。5、7、9月頃の年3回被害が発生する。見つけ次第捕殺する。
ツツジ ルリチュウレンジグンバイムシ 001
ツツジ ルリチュウレンジ 001
ベニモンアオリンガ
幼虫が春から秋まで発生し、蕾を食害する。一匹あたりのつぼみ食害数は多数で、翌春の花数が極端に減少する。早期発見に努め、捕殺する。
ハダニ類
体長1mm以下の赤い虫(脚が8本有り、クモの仲間)で、年10回近く発生を繰り返す。短期間に急激に増え、葉面より樹液をすって加害する。葉が黄白色かすり状になる。葉の裏に水圧を上げ散水する。
カイガラムシ類
枝から樹液を吸汁し樹勢を弱らせる。また排泄物にすす病菌が繁殖して黒くなり美観を損ねる。大型カイガラムシ類は、捕殺する。→ カイガラムシ類

 

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ツ タ 類 つる性 落葉広葉または常緑広葉

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹
植栽、移植
冬季3月までに行う。
開花習性
花よりも「つる」としての樹形を楽しむ。
施肥
特に必要ない。
整枝剪定
萌芽力は強いので、強剪定に耐える。密生枝を間引く。つた類としてキズタ、テイカカズラ、ヤマフジ、モッコウバラ、フジ、ビナンカズラ(サネカズラ)ノウゼンカズラ、ツルウメモドキ、ツルアジサイ、ツキヌキニンドウ、クレマチスなどがある。
主な病虫害 特に実害となる病虫害は発生しない。

 

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ツ バ キ ツバキ科 常緑広葉高木

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹
植栽、移植
日陰にも強いが、できるだけ日当たり排水の良い場所。砂質壌土を好むが、土質に対する要求度は比較的低い。枝および根を切り詰めて、植え付け後は寒冷紗などで遮光を行う。十分暖かくなってソメイヨシノの花が散ってから、9〜10月までに行う。大径樹の移植は困難。
開花習性
花芽は花の終わった後伸びた新梢の頂部に7月頃形成される。若木や徒長枝には花芽ができず、葉芽になる。蕾の付きすぎは根腐れでも起こる。2〜4月開花し、10〜11月に果実が裂け、2〜3個の大きな種子を落とす。
ツバキ 花 002 ツバキ 花 003
施肥
寒肥、お礼肥、追肥の年3回発酵油粕や牛糞堆肥を施肥する。
整枝剪定
花の終わった直後から芽の吹き出すまでに行う。
増殖
実生(採播 低温貯蔵3月播種) 挿し木(7〜8月今年枝) 接ぎ木(3月)
ヤブツバキ、ユキツバキこのほか多くの園芸品種がある。
主な病虫害
花腐菌核病
蕾や開花中の花弁が褐色になり早期落花を起こす。落下した被害花で病原菌が越冬し、来春胞子が飛散伝播する。病花を集めて焼却処分にだす。
炭疸病
主に葉が侵される。葉縁から枯れだし、しだいに拡がっていく。同心円状の紋ができそれに沿って微小黒粒点ができる。健全に生育させるととも、病葉を集めて焼却処分に出す。
もち病
若葉時には葉および花芽が緑白色〜黄白色になり、しだいに膨らんで多肉質化になる。光沢のある淡緑色であるが、日の当たる部分は紅色になる。多肉質化した葉は白紛状物で覆われた後褐変、乾いてミイラ状になる。初期の病葉をこまめに取り集めて焼却処分に出す。
すす病

枝葉が黒色すす状物で覆われ美観を損ねる。病原菌は枝葉から栄養分を吸収するのではなく、庭樹に寄生したアブラムシ類、カイガラムシ類の排泄物に繁殖する。したがってカイガラムシ類、アブラムシ類の駆除を行うとともに、採光通風をはかりこれらの害虫発生を防ぐ。

 → すす病、アブラムシ類、カイガラムシ類

ツバキ すす病 001
白も病
葉の表面に白〜淡褐色の放射状に伸びた菌糸膜が形成される。初期は白色、時間がたつとともに菌糸は淡褐色放射状になる。日照、通風の悪い場所で発生しやすいので、環境改善をはかる。
ツバキ 白藻病 001
トビマダラメイガ
ガの幼虫が年数回発生し、葉を食害する。葉肉を食害し、食害跡は褐変し著しく美観を損ねる。幼虫を見つけ次第捕殺する。
ツバキ トビマダラメイガ 002
チャドクガ
ドクガの一種で、幼虫、成虫ともに体毛にふれると激しくかぶれるので、注意が必要。5〜6月と8〜9月に幼虫が発生し、葉を食害する。激しく食害されると庭樹が丸坊主になることがある。若齢幼虫は葉裏で集団になって食害している。この時枝葉とともに切り取り、焼却処分に出すか踏み殺す。
チャハマキ
幼虫は秋まで葉を2〜3枚綴りあわせてその中で葉を食害している。葉をはがすと体長3cmほどの緑色した幼虫がいる。見つけ次第捕殺する。
カイガラムシ類
枝葉から樹液を吸汁し樹勢を衰弱させる。また排泄物にすす病菌が繁殖し、美観を損ねる。4〜6月カイガラの中の卵がふ化して、幼虫が外に出てくる。大型カイガラムシ類は捕殺し、小型のカイガラムシは歯ブラシなどでこすり落とす。
アブラムシ類
蕾、花、芽や葉から吸汁する。各種アブラムシが一年中発生し、ウイルス病(輪紋病)を媒介する。通風、採光をはかる。寄生密度の高い時に枝ごと切り取り踏み殺す。
ツバキ ウィルス病 001
ヒノキバヤドリギ
高等植物のヤドリギの一種が枝に寄生し、ツバキから養水分を吸収する。見つけ次第枝から切り取り焼却処分に出す。
ツバキ ヒノキバヤドリギ 002
ツバキ ヒノキバヤドリギ 003

 

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ツ リ バ ナ ニシギキ科 落葉広葉中木

植栽場所
公園樹 庭園樹 環境緑化樹
植栽、移植
落葉期間中が適期。あまり切り詰めずに行う。湿潤で肥沃な日当たりの良い場所。
開花習性
花は5〜6月に開花するが、9〜10月紅熟垂下した種子と紅葉をも鑑賞する。
施肥
特に必要ない。
整枝剪定
落葉中に不要な枝を整枝する程度で自然樹形を楽しむ。
増殖
実生(球形の果実が裂けて仮種皮に包まれた種子をとり、水洗い後播種)
主な病虫害 特に実害となる病虫害は発生しない。

 

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ツ ル ア ジ サ イ ユキノシタ科 つる性落葉

植栽場所
公園樹 環境緑化樹 庭園樹
植栽、移植
水はけのよい湿潤地。枝を切りつめて移植。
開花習性
花後伸びた枝先端に花芽ができる。花芽分化は10月頃、次年6〜7月梅雨時に白い花を咲かせる。
施肥
寒肥、お礼肥として牛糞堆肥か発酵油粕を土中に埋める。
整枝剪定
花後から夏までの間に行う。
増殖
挿し木
主な病虫害 特に実害となる病虫害は発生しない。

 

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ツ ル ウ メ モ ド キ ニシキギ科 雌雄異株 つる性落葉低木

植栽場所
庭園樹 環境緑化樹
植栽、移植
雌樹を選ぶ。日当たり良く肥沃な場所。落葉期に植え付ける。夏期土壌乾燥を避けるため根元に敷き藁をする。
開花習性
5〜6月黄緑色の花を咲かせるが目立たない。10〜1月に熟した果実は裂け、黄赤色の美しい種子を露出する。実の付いた枝を生け花に使う。
施肥
発酵油粕または牛糞堆肥を施す。
整枝剪定
つる性落葉低木で、強剪定に耐える。落葉期に行い樹形を整える。
増殖
根伏せ(3月太い根を掘りだし、15cmに切り赤土に斜めに伏せる) 接ぎ木(3月)
主な病虫害 特に実害となる病虫害は発生しない。

 

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