樹木医からみた庭樹の管理(マ)

マ サ キ ニシキギ科 常緑広葉中木

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹 生け垣
植栽、移植
どこでも良く育つ。3〜5月が移植適期。大株の移植は地上部を切り詰める。
開花習性
6〜7月開花するが、10月に紅熟する果実を鑑賞する。斑入り葉、つる性の樹形(ツルマサキ)を鑑賞する品種がある。

マサキ 斑入り 001

マサキ 斑入り 003

施肥
強剪定する場合発酵油粕や牛糞堆肥を土壌中に鋤き込む。
整枝剪定
強剪定に耐える。良く生長するので年2〜3回刈り込む。
増殖
実生(11月採り播き) 挿し木(4月前年枝 7〜9月今年枝)
主な病虫害
うどんこ病

斑入り葉は目立ちにくいが、葉に白粉をまぶしたような病斑ができる。新梢が被害を受けると、新芽、新葉が奇形になる。枝透かし等を行い風通しをはかる。病葉、落葉を集めて焼却処分に出すか、土中に埋める。イミベンコナゾール乳剤500〜1000倍液を発病初期に散布する。

マサキ うどんこ病 001

マサキ うどんこ病 003

ユウマダラ エダシャク

枝葉の上を、細長い体を伸ばしたり縮めたりして移動している。見つけ次第捕殺する。

 

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マ ツ 類 マツ科 常緑針葉高木

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹
植栽、移植
樹勢が強くやや痩せ地でも生育する。日当たり排水通風の良い場所。高植えにする。3〜4月または冬期に行う。
開花習性
一枝に雄花、雌花が別々につく。

マツ類 雌花 001

マツ類 雄花 001

施肥
施肥によって、葉が長く太く濃くなるので、植木屋はいやがる。
整枝剪定
松は手入れを怠るとすぐに樹形を崩してしまう欠点がある。4〜5月に枝先から伸びた新梢が、葉を開く前にもぎ取るとともに、前年の葉をごくわずか残してもぎ取る「みどり摘み」と、10〜12月にみどり摘み後に発生した夏芽を整理して葉もぎ、枝直しをする「もみあげ」の年2回を行う。
増殖
実生 接ぎ木
主な病虫害
材線虫病
夏から秋にかけて、葉が急速に黄褐色になり、しおれた症状になる。症状は庭樹全体におよびまもなく枯れる。1mmたらずの植物寄生性線虫がマツノマダラカミキリによって伝播される。予防法として殺線虫剤のメスルフェンホス(ネマノーン)注入剤(原液)、酒石酸モランテル注入液剤(原液)、塩酸レバミゾール注入剤(原液)を冬期樹幹注入する。またはマツノマダラカミキリの成虫発生期5〜7月の間に数回NAC水和剤(20〜40倍)、MPP乳剤(500〜1000倍)、MEP乳剤(150〜200倍)などを幹よりも枝先に充分かかるように散布する。

マツ類 マツノマダラカミキリ 001

マツ類 マツクイムシ 001

赤斑葉枯病
針葉に赤褐色の斑点ができ表皮を破って中から黒色物質がでてくる。針葉の先端1/2から2/3が赤褐色に枯れる。病葉は落葉とともにていねいに集め焼却処分に出す。土壌改良を行い、牛糞堆肥か発酵油粕を木炭とともに樹冠下に埋める。
葉ふるい病
関東では健全樹にも発生すると言われるが、関西地方では、樹勢の衰えたマツの葉に発生する。褐色に変色した葉に黒色帯状病斑が横に数本形成される。黒色帯状間に長紡錘形の黒色病斑が1個形成される。落葉した病葉をていねいに集めて焼却処分する。
こぶ病
枝や幹に大小さまざまなこぶができる。4〜5月こぶの表面から病原菌の黄橙色の紛状物が飛び出す。クヌギ、コナラ、ナラなどの葉が感染しさび病として発病する。こぶの部分はもろくて、折れやすい。病幹部をていねいに削り取り、墨汁、塗布剤を2、3回重ね塗りする。
葉さび病
4〜5月葉上に黄橙色、歯ブラシ状の小突起物ができる。突起物から病原菌が飛び出し、中間寄主のキク類、キハダ、サンショウなどに移り、10月マツ類に戻ってくる。葉は黄褐変し落葉する。中間寄主を取り除く。
すす葉枯病
5月今年伸びた葉の先端から赤褐色に変わり、健全部との境界がはっきりする。のち病葉には細かな黒点が一列に並ぶ。大気汚染によって発生しやすいので樹を健全に育てる。
マツ類 すす葉枯病 001

マツカレハ
松毛虫とも言われる食葉性害虫。8月から翌年6月まで食害する。冬期は地上の落葉の下あるいは樹皮の隙間で越冬する。この性質を利用して10月頃樹幹にこも(薦)を巻き、幼虫を集め春暖かくなるまでに焼却処分に出す。8〜9月よく観察し、幼虫を捕殺する。発生初期にDEP乳剤(1000倍)を散布する。
マツ類 マツカレハ 001

マツ類 マツカレハ 002

マツ類 マツカレハ 003

シンクイムシ類
多くは新梢頂端部に潜入し、やに流出を起こし、基部から枯らす。健全部を含めて切り取り焼却処分に出すか、土中深く埋める。
マツ類 シンクイムシ 001

マツバノ

タマバエ

小さい幼虫が針葉の基部に潜入しコブが形成される。このため葉の成長が止まり短くなる。幼虫は土中で越冬するため、冬期樹冠下をていねいに掃除する。集めた落葉などは焼却処分に出す。

マツ類 マツバノタマバエ 001

マツノモグリ

カイガラムシ

枝が釣り針状に曲がり、樹形が乱れる。古葉などの除去を行い、松を健全に育てる。
マツ類 マツノモグリカイガラムシ 001

マツノカキ

カイガラムシ

長さ1〜3mmほどの褐色貝殻が、葉に多数寄生し、すす病を併発する。マツにはごく普通に見られる。整枝剪定を行い、日当たりや風通しを良くする。
マツ類 マツノカキカイガラムシ 001

マツコナ

カイガラムシ

春から初夏にかけて新梢部の新葉間に群棲して寄生し、すす病を激しく併発する。特定の枝に集中して発生するので被害枝は切り取る。常に枝葉を良く観察し、ふ化幼虫発生期までに枝を切り焼却処分に出す。

アブラムシ類、カイガラムシ類:多種類のアブラムシ・カイガラムシ類が寄生し、すす病を併発する。枝ごとの手入れを行い採光・通風を良くする。

→ アブラムシ類、カイガラムシ類

アブラムシ・

カイガラムシ

多種類のアブラムシ、カイガラムシが寄生し、すす病を併発する。枝ごとの手入れを行い、採光・風通しを良くする。

トドマツノ

ハダニ

乾燥した年に多発する。針葉から樹液を吸収し、葉をかすり状に横変さす。虫眼鏡で葉の基部をよくみると、1mmたらずの赤いハダニが動いているのがわかる。また白い紙の上で枝をたたき、紙を二つに折るとつぶれたダニの赤い斑点がよくわかる。水圧を上げた散水を枝葉に行い、ダニを洗い落とす。地表面を耕し土壌中に新鮮な空気が入りやすくする。牛糞堆肥あるいは発酵油粕を穴を掘って施肥、マツを健全に育てる。
マツ類 ハダニ 001

マツ類 ハダニ 002

マツ類 ハダニ 003

マツノマダラカミキリ
上記 材線虫病を参照
ハバチ類
体長2〜2.5cm、緑色または黒色の幼虫が4〜5月に旧葉を、8月新葉を食害する。年1〜2回発生する。幼齢期は群生して葉を食害するが、成長すると分散するので、群棲生している幼虫を枝ごと切り取り焼却処分に出す。

 

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マ テ バ シ イ ブナ科 常緑広葉高木

植栽場所
公園樹 街路樹 環境緑化樹 生け垣
植栽、移植
陽樹 移植は容易。5〜7月。
開花習性
花よりも自然樹形を楽しむ。
施肥
特に必要ない。
整枝剪定
萌芽力が強く、剪定にも耐えるが、自然樹形を鑑賞し、根元から出るヤゴを切り取る程度。
増殖
実生(10月採り播き 湿砂低温貯蔵3月播種)
主な病虫害 特に実害になる病虫害はない。

 

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マ ユ ミ ニシキギ科 落葉広葉中木〜高木 雌雄異株

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹
植栽、移植
11〜12月または3月に行う。美しい紅葉を楽しむために日当たりの良い場所に植える。
開花習性
花芽は充実した短枝につき、翌年開花するが、花よりも垂下した赤い果実を鑑賞する。実を鑑賞するためには、雌木を植える。
マユミ 花 001

施肥
特に施肥する必要はない。
整枝剪定
花芽のない不要な長枝は根元から切り詰める。必要な枝は5芽ほど残して切る。放任して自然樹形を楽しむ。樹形を乱す徒長枝には花芽がないので夏に根元から切る。
増殖
実生(果肉除去後湿砂低温貯蔵3月播種) とり木(4月) 挿し木(3〜6月)
主な病虫害
こうやく病
数種のこう薬病菌があり、菌糸膜の色で分けているが、発生には必ずカイガラムシが関与している。枝、幹の表面がビロード状の厚い菌糸膜でおおわれ、細い枝はこのため衰弱することがある。寄主にカイガラムシが発生し、これにこう薬病菌が着生または寄生し、菌糸膜を形成する。「膏薬」が枝幹に付くことにより、古木的な雰囲気を醸し出す。地衣類(菌類と藻類とが共生する隠花植物、ウメノキゴケ、サルオガセなど多種ある)と同じだが、樹木にとってよくないので、除去につとめる。
マユミ こうやく病 001

 

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マ ン サ ク マンサク科 落葉広葉中木

植栽場所
庭園樹 公園樹
植栽、移植
日当たり排水のよい場所を好むが、樹勢が強くやや日陰でもよく成育し花をつける。土質は特に選ばないが、腐植質に富んだ肥沃地を好む。11月および開花の始まるまで。根系は浅根性で、水平根が地表部をネット状に覆うので、植え穴を大きめに掘って根を広げて植え込む。踏圧、乾燥に注意する。
開花習性
花は2〜3月に咲き、果実は10月成熟する。花芽は今年伸びた充実した短枝につき、翌年の早春に開花する。萌芽した枝にはほとんど付かない。
マンサク 花 001

マンサク 花 002

施肥
生育が悪く葉色が薄い場合は発酵油粕を土中に埋める。
整枝剪定
不要枝は春か秋に切り、自然樹形を鑑賞する。
増殖
実生 挿し木
主な病虫害 特に実害になる病虫害はない。

 

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マ ン リ ョ ウ ヤブコウジ科 常緑広葉低木

植栽場所
庭園樹 環境緑化樹
植栽、移植
耐陰性が強く暗い常緑樹の下でもよく成育する。半日陰地の樹林下で、落ち葉などが厚く堆積した保水力のある排水の良い湿潤な場所。4〜5月または9月に行い、植え付け後は支柱を立てる。
開花習性
7月白い散形花序をつけるが、冬赤く成熟する果実は春まで鑑賞できる。
施肥
実付きが悪い場合はリン酸、カリを施肥する。
整枝剪定
特に行わない。
増殖
実生(果肉除去後採播3〜4月) 挿し木(7〜8月) とり木(5月)
主な病虫害 特に実害になる病虫害はない。

 

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