樹木医からみた庭樹の管理(ヒ)

 

 

ヒ イ ラ ギ モクセイ科 常緑広葉中木 雌雄異株

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹 生け垣
植栽、移植
日陰にも強いが、日当たり排水の良い腐植質に富んだ肥沃地。冬の寒風を嫌う。5月および9〜10月。移植は容易。
ヒイラギ 丸葉 002
開花習性
モクセイより遅れて、10〜11月香りのある白い花を咲かす。果実は翌年6〜7月成熟する。
施肥
生け垣には発酵油粕を土中に埋める。
整枝剪定
萌芽力が旺盛で、強い刈り込みにも耐えるので、目的にあった樹形に作れる。刈り込みは新梢の固まった7月と夏芽の成長の止まった11月以降に行う。太い枝を切っても、新しい枝をつくる。老木になるにつれ葉のトゲがなくなる。
増殖
実生(果肉除去採播)、挿し木(6〜7月今年枝)
主な病虫害 特に実害となる病虫害はない。

 

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ヒ イ ラ ギ ナ ン テ ン メギ科 常緑広葉中木

植栽場所
庭園樹 生け垣
植栽、移植
腐植質の富む肥沃な土壌で日当たり排水のよい風の当たらない場所。4〜10月に移植。日陰でもよく育つ。
開花習性
黄色の小花が房状になって枝先に咲き、実は10月黒紫色になって熟す。ヒイラギ(モクセイ科)とナンテン(メギ科)との交雑種ではない。
ヒイラギナンテン 斑入り葉 002
施肥
特に必要ないが、葉色が悪い場合は発酵油粕を施肥する。 整枝剪定:刈り込みの必要はないが、放任すると枝葉が雑然となる。枝条は3〜5本に整理する。葉刈りは11〜2月に行う。
整枝剪定
萌芽力が旺盛で、強い刈り込みにも耐えるので、目的にあった樹形に作れる。刈り込みは新梢の固まった7月と夏芽の成長の止まった11月以降に行う。太い枝を切っても、新しい枝をつくる。老木になるにつれ葉のトゲがなくなる。
増殖
実生(採播 湿砂低温貯蔵3月播種)、挿し木(3〜4月)
主な病虫害
たんそ病
葉の先端、周辺から枯れ込んでくる。樹勢には影響しないが、美観を損ねるので被害葉は切り取り落葉とともに焼却処分に出す。
ヒイラギナンテン たんそ病 001
すす病
葉が黒色菌糸膜で覆われる。軽度の場合は葉が黒く汚れたように見える。カイガラムシの寄生に伴って発生するので、カイガラムシの駆除を行う。
ヒイラギナンテン すす病 001

 

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ヒ サ カ キ ツバキ科 常緑広葉中木 雌雄異株

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹 生け垣
植栽、移植
耐陰性、耐乾性に強い。適潤地、やや乾燥地の砂質壌土、壌土を好む。根は細根が多く、移植容易。
開花習性
3〜4月白黄色の小花が咲くが目立たない。果実は11月に黒色に熟し、野鳥の好餌。
施肥
特に強剪定を行わない限り必要ない。
整枝剪定
強剪定に耐え、垣根にも利用できる。
増殖
挿し木、実生
主な病虫害
すす病
葉に吸汁性害虫の排泄物が付着し、黒色すす病菌が繁殖する。吸汁性害虫の駆除を行う。上部に吸汁性害虫に加害された庭樹がある時に発生しやすい。
ヒサカキ すす病 001
白紋羽病
土壌伝染性の病害のため、防除は困難。地際部に白〜灰色の菌糸膜層ができ、徐々に樹勢衰退してくる。根系が腐朽し幹を持って揺らすと、簡単に抜き取ることができる。腐朽した根系をきれいに取り出し、隣接した庭樹の根系に注意し土壌消毒を行う。
ヒサカキ 白紋羽病 001
ハモグリバエ類
幅1mmほどの線状の模様を葉に形成する。このため「絵描き虫」とも呼ばれている。庭樹では実害はないが、枝ものとして出荷する場合は問題となる。年数回繰り返し被害葉を切り取り焼却処分をし、林内の害虫密度を下げる。
ヒサカキ ハモグリガ 001

 

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ヒ ト ツ バ タ ゴ モクセイ科 落葉広葉高木 雌雄異花

植栽場所
庭園樹 公園樹 街路樹
植栽、移植
陽樹で、適潤〜やや湿った肥沃な場所。根は浅根性で、密に出るので、移植するときは根回しが必要。落葉期。
開花習性
5月枝先に円錐花序を出し、白花を雪のように付けて美しい。実は白粉を表面に付け黒く熟す。
施肥
花を観賞するなら発酵油粕を少量施肥する。
整枝剪定
自然樹形を鑑賞する。
増殖
実生(採り播き 10〜11月果肉除去湿砂低温貯蔵3月播種)
主な病虫害 特に実害となる病虫害はない。

 

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ビ ナ ン カ ズ ラ(サ ネ カ ズ ラ) 常緑つる性 雌雄異株または同株

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹
植栽、移植
樹勢が強く、特に場所は選ばないが、腐植質に富む、排水の良い午前中日の当たる場所では成長がよい。5月または8〜9月につるを短く切り詰めて行う。
開花習性
花芽はごく短い枝につくられ、翌年3〜4枚の葉を伸ばし、この葉腋に花をつける。花よりも、纏まってついている赤い実を嘆賞する。
施肥
特に必要ない。
整枝剪定
放任状態でよいが、時々つるを誘導して美観を損ねないようにする。
増殖
挿し木(6〜7月)
主な病虫害 特に実害となる病虫害はない。

 

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ヒ バ 類 ヒノキ科 常緑針葉中〜高木

植栽場所
庭園樹 公園樹 街路樹 環境緑化樹
植栽、移植
植え付けは3〜5月、または9〜10月に行う。園芸品種が多数ある。
開花習性
春先咲く花はよく観察しないとわからない。
施肥
特に強い刈り込みを行わない限り必要でない。
整枝剪定
繁りすぎによる風通しや採光が悪いと小枝の枯れが目立つ。内枝に日が当たらないと萌芽しにくいので、枝があまり長くならない間に刈り込む。5〜9月の間に数回刈り込む。
増殖
実生、挿し木(4月)
主な病虫害 特に実害となる病虫害はない。

 

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ヒ マ ラ ヤ ス ギ(ヒ マ ラ ヤ シ ー ダ)

マツ科 常緑針葉高木

植栽場所
庭園樹 公園樹 街路樹
植栽、移植
日当たり排水の良い適潤な肥沃な場所。根が浅く、乾燥に弱いので移植後はマルチングする。アルカリ性土壌(石灰岩質)の土壌は好ましくない。
開花習性
花よりも樹形を楽しむ。
施肥
特に必要ない。
整枝剪定
萌芽力があるので、好みの所で切ってもよく芽吹きするので仕立てやすい。細枝は枯れやすいので、太さのそろった枝で樹形を整える。剪定は7月または11〜12月。幹に直射日光が急にあたると日焼けをおこし、樹皮が割れるので、移植時や強剪定の時にはコモで幹巻きをする。
増殖
挿し木(3月)、実生(低温貯蔵2〜3月播種)
主な病虫害
マツカレハ
葉を食害し、多量の虫糞を地表に落とす。激しく加害されると、枯れる場合がある。幼虫を早期に見つけて捕殺する。

 

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ヒ メ シ ャ ラ ツバキ科 落葉広葉高木

植栽場所
庭園樹 公園樹 環境緑化樹
植栽、移植
半陰樹または陰樹。西日の当たらない、腐植質に富んだ肥沃な適潤地。根回しによる発根性は良好で、移植時には必ず行う。植え付けは3〜4月 10〜11月。排水のよい場所では樹冠下にマルチングを行う。
開花習性
6〜7月2cmほどの白い花を咲かせる。秋の紅葉も美しい。
施肥
元肥として牛糞堆肥を入れる。
整枝剪定
老樹となるほど樹幹に光沢が出て、美しい黄褐色になる。樹幹内部の小枝整枝に留め、自然樹形を楽しむ。
増殖
実生(9〜10月採り播き 発芽までに2年かかる)、挿し木(7月当年枝)
主な病虫害 特に実害となる病虫害はない。

 

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ピ ラ カ ン サ ス(トキワサンザシ、タチバナモドキ)

バラ科 常緑広葉低木

植栽場所
公園樹 庭園樹 生け垣
植栽、移植
日当たりを好むが、土質はあまり選ばない。移植は地上部を切り詰めて、3〜4月または8〜9月に行う。大株は半年前に根回しを行う。
開花習性
花芽は今年伸びた基部の短枝につくられ、翌年5〜6月香りのある白色の小花が固まって咲き、秋鮮やかな黄〜橙色に結実する。果実は野鳥の好餌になる。
施肥
実を楽しむためには、リン酸、カリを多めに施肥する。
整枝剪定
徒長枝が多く出るが花芽ができないので、基部を少し残して元から切り取る。剪定は11〜3月に行う。幹から堅いトゲを出すので注意。
増殖
実生(果肉除去播種)、挿し木(6〜9月今年枝)、接ぎ木
主な病虫害 特に実害となる病虫害はない。

 

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