平成20年度 奈良県森林技術研究評議会の中間・事後評価結果一覧
  中間評価
研究課題名
研究
期間
担当課
研  究  概  要 総合評価 コ メ ン ト

スギ雄花分化機構と雄花分化を抑制する薬剤が樹体に与える影響の解明

H1821
森林資源課

現存するスギから直接生産される花粉の抑制対策として抜き伐りや薬剤使用などを行う際、雄花分化機構が明らかになればより適切な対策を採用することが可能となる。本研究ではスギの雄花分化機構を解明し、また薬剤を用いて雄花生産を抑制した際に樹木が受ける影響を調査する。

A

基礎的な面もあり、ユニークかつ有用な研究で、着実に成果をあげている。研究成果の学会発表を進めて欲しい。

 
春日山原始林の種組成に及ぼす侵入種の影響 H1721

りの保全課

春日山原始林は世界遺産・特別天然記念物に指定されている貴重な森林である。近年、侵入種の分布拡大により、春日山原始林の種組成の変化、多様性の劣化が問題となっている。本研究では、近年急速に分布を広げつつある侵入種:ナンキンハゼの動態に着目し、春日山原始林の種組成に及ぼす影響を予測し、保全の指針とすることを目的とする。

A

森林生態系保全を目的として着実に成果をあげており、研究の継続により目標が達成されると見込まれる。
カシやシイへの影響は、ナギの方が大きい可能性もあり、森林生態系保全を目的とした研究における研究対象としてのナンキンハゼの位置づけを明確にする必要がある。

【総合評価記号】

  1. このまま続行させる
  2. 内容を修正して続行させる
  3. 計画の見直しが必要
  4. 中断または中止させる




  事後評価

研究課題名
研究
期間
担当課
研  究  概  要 研究目標の達成度 研究成果利活用の見通し コ メ ン ト

バイオマス資源林 (早生樹)の可能性調査

H1719
森林資源課
間伐材などの林地残材や未利用樹をバイオマスエネルギーとして利用できれば、化石燃料の消費を抑え、温暖化防止に貢献できる。しかし、これらの資源は集積に費用がかかるため、ほとんど利用されていない。森林の炭素吸収機能を高め、バイオエネルギーとして利用するには、スギ、ヒノキよりも速く成長し、育林経費や更新経費がかからない早生樹が有効であり、その可能性について検討する。 
C
B
木質バイオマス生産を目的とした早生樹の成長量調査は、研究計画の途中で実用的な内容に研究の重点を移した結果、その部分では目標は十分に達成されたとは評価できない。一方、林地残材系の木質バイオマスの収集コスト調査では、実用的な成果が得られている。
竹林の拡大防止とバイオマス資源としての評価

H17 19

森林資源課

奈良県においても竹林が放置されているため、隣接する人工林や里山等に拡大し、地域の環境に悪影響を与えている。もし、竹林がバイオマス資源として利用できれば、拡大を防ぐだけでなく、高い炭素固定能から地球温暖化防止に役立つと考えられる。本研究では、竹林の拡大実態を調査するとともに、竹林をバイオマス資源として利用するための基礎調査を実施する。

A


主要成果とする

 

A 着実に研究成果が得られている。とくに、放置竹林の枯殺に関する研究成果は、行政的に有効な手法を提供することにつながると期待できる。

畑ワサビ栽培用の耐暑性品種の選別

H1519 森林資源課 中山間地域の有用な換金作物である畑ワサビの耐暑性品種を選別することにより、安定生産、コストの低減、品質の向上を図る。 B B

実験計画が不十分であったため、研究目標が十分に達成されたとはいえないが、品種を選抜して栽培に至った成果を評価する。
実用化までに病虫害の検討が必要である。

菌根性きのこの接種技術の開発 H1719 森林資源課

菌根性きのこの人工接種方法には、培養菌糸体を用いる方法と胞子を散布する方法がある。前者の場合、雑菌に汚染されやすく、実用化されているのはホンシメジのみである。後者は多くのきのこで菌根形成、子実体発生に成功しているが、きのこの豊凶などから、安定的な胞子の確保が困難である。そこで、新たな接種法の開発をする。

A A

接種技術の確立には至っていないが、確実な達成目標を立てにくい課題であることを考慮すると、分生子の培養条件を確立するなど基礎的な学術的に意義の高い研究成果が得られていることは評価できる。現状では実用化には至っていないが、継続研究による研究の発展が期待できる。

原木殺菌法によるきのこ栽培技術の確立

H1719 森林資源課 山間地域における新規の副業的きのこ栽培を想定し、すでにマンネンタケ栽培として県内で普及している原木殺菌法による自然栽培を軸とし、通常の原木栽培では安定した栽培が困難であるヤマブシタケやブナシメジについて、栽培技術の確立およびきのこの栽培法に適した品種の選抜を行う。 A B

具体的で実用的な研究成果が得られている。現場への適用法の確立および市場における付加価値などの商品としての評価が必要である。さらには、原木の県内供給の問題が残されている。

カンゾウタケの栽培技術の開発

H17  19

森林資源課 カンゾウタケの生産技術は確立しておらず、市場には出回っていない。そこで、新しい作目としてのカンゾウタケの栽培技術を確立する。 B B

自己評価にあるように、栽培技術の現場での実用化に必要な雑菌対策などに課題が残されている。エンドユーズまで考慮された研究成果であるが、実用化までに今一歩のところで、今後の発展に期待する。

スギ製材品の省エネルギー乾燥法の検討  H1719 木材利用課

乾燥材の効率的生産に効果があるとされている「重量選別」を経済的に評価するためのデータを蓄積すると共に、スリット処理材について、乾燥工程の低コスト化を目標とするいくつかの検討を行う。

A A

非常に地味な研究であるが、現場では必要性が高い研究成果が得られている。 県産材の有効利用に寄与することが期待できる。

研究目標の達成度評価

A
:十分達成された(達成度80%以上)
B:おおむね達成された(達成度60%以上、80%未満)
C:部分的に達成された(達成度40%以上、60%未満)
D:達成に到らなかった(達成度40%未満)

研究結果利活用の見通し

A
:十分活用される研究成果である。
B:部分的に活用される研究成果である
C:現状では活用の困難な研究成果である。

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