平成19年度 奈良県森林技術研究評議会の中間・事後評価結果一覧
  中間評価
研究課題名
研究
期間
担当課
研  究  概  要 総合評価 速報成果の適否 備         考

ホオノキ導入によるスギ、ヒノキ人工林地の混交林化試験

H1620
森林資源課

県内のスギ、ヒノキ人工林には、ホオノキが単木的に混生しているところが見られる。そこで、比較的成長が速く、利用度も広くて景観的にもよいホオノキをスギ、ヒノキ人工林に導入し、混交林造成技術を開発する。

B
-
ホオノキに限らず、生物の多様性保全を考えて課題を実施してほしい。特に、材としての用途についても調べてほしい。A0層など土壌条件についても解明する必要がある。今までの奈良県実施の広葉樹に関する研究をレビューして、残されている問題点などを抽出した後で、課題を設定するのが望ましい。 
屋外ばくろおよび促進劣化処理による防腐処理集成材の接着耐久性試験 H1620 木材利用課

長期にわたる屋外ばくろ試験を実施するとともに促進劣化処理との関連を調べ、防腐処理集成材の接着耐久性評価技術を確立する。また、各種の防腐剤が集成材の接着耐久性に及ぼす影響を明らかにする。

A - 地道に計画通りに進められている課題であり、他では行われていない貴重な研究である。奈良県産スギ材の良さをアピールするためのデータが得られる可能性がある。暴露試験と劣化促進試験の組み合わせで評価すること自体も、試験設計として興味深い。

【総合評価記号】

  1. このまま続行させる
  2. 内容を修正して続行させる
  3. 計画の見直しが必要
  4. 中断または中止させる




  事後評価

研究課題名
研究
期間
担当課
研  究  概  要 研究目標の達成度 研究成果利活用の見通し 主要成果の適否 備      考

マツ材線虫病防除への菌根菌人工接種技術の応用

H14-18
森林資源課
 取り木苗を用いた菌根菌人工接種技術を応用し、マツに共生微生物を導入することによって樹木が本来持っている病虫害抵抗性を高め、マツを活性化する技術を開発する。
A
A
マツ材線虫病の対策として、菌根菌を利用してマツ樹勢を高めて、結果的に病気進行を抑制するという観点は、ユニークな技術開発といえる。また、そのための菌根菌の菌株収集、スクリーニングなど研究目標は達成している。引き継がれる課題での成果とその実用化に期待する。
樹木の衰退・枯死機構の解明

H16-18
森林資源課
 樹体内貯留水分を把握することは、樹木の衰退・枯死機構を把握する上で重要となる。そこで、これまでにデータの蓄積があるヒノキ・スギについて樹体内貯留水分の定量を行うと同時に、樹体内貯留水分の減少に伴う衰退・枯死機構について調査する。
A
A

試験の組み立て・計画など的確に行われており、計画途中とはいえ、目標は達成されている。樹木衰退・枯死という、現場の事象を歪み計など、様々な技術を駆使して測定している点は、学術的にも興味深い。現場で使用、適用可能な成果なので情報を流してほしい。

市場流通にのらない一般材の流通システムを構築するための基礎調査 H1618

森林資源課

複雑な流通経路を単純化することによって、山林に放置された一般材がどの程度搬出可能になるかを検討し、一般材流通の促進、効率化を図るための情報とその提供方法を検討する。 B B いわゆる先進林業地を抱える奈良県にあって、通常の市場流通にのらない一般材について、その立木価格に影響する中間コストをアンケート調査で明らかにしたことは、コスト削減に向けた成果であり、意味がある。ただ、価格決定に係わる部分において、現状調査の域を出ていない。
アルカリ化した土壌の改良試験 H1618 みどりの保全課 緑化樹等は人工植栽基盤の環境下でかなり劣悪な立地条件に置かれ、樹勢が衰退している。建築の基礎コンクリート部や植栽枡からの土壌中へのアルカリ成分の滲出による土壌のアルカリ化が主な原因といわれている。このため、このような土壌のpHを改善する有効な方法を検討する。 C C - 研究の背景・目的が明確ではない。そのため、課題実施において設計された計画に無理があった。対照区を各試験において設定すると共に、試験区においても、あまり複雑な系としないことが重要である。
強化LVLを活用した高強度な住宅用耐力壁の開発 H1718 木材利用課 国産スギ材から製造した集成材と強化LVLを用いて高強度な住宅用耐力壁を作製し、実大規模での強度性能の評価を行う。強化LVL接合部材を一般住宅用として実用化するために、住宅内での具体的な使用方法を示し、その設計法を確立する。 A B -

研究期間2年で実用化まで進めたことは評価される。また、建築用資材となる展開は独創性のある内容である。木質接合部材としての強化LVLの特徴を活かした性能をアピールする必要がある。

地域材利用促進のための非住宅用部材への新用途開発 H1618 木材利用課 屋外環境下で使用されるスギ集成材の接合部での劣化を抑止するため、異種材料による接合部の保護技術を開発する。高い接着耐久性を備えた、高耐候性異種材料の木材への接着技術を開発し、接合部での接着はくりや割れ、ならびに腐朽の発生を防止する技術を開発する。 B B - 当初の目標が明確でないことから、評価が難しいところがある。
木材の不燃処理技術の開発(無機質と複合化による軟質針葉樹材の改質)

H1618

木材利用課 スギをはじめとする針葉樹人工林木をウッドデッキやボードウォーク材、公共建築物等の建築の内外装材として利用することを目的として、不燃木質材料の開発を進め、さらに、それに対して耐候性の付与と、薬剤の溶脱防止技術の確立を試みる A A 主要成果

独創性が高く、特許申請をしている。また、実用化につながる研究成果が得られており、本課題を主要成果としたい。社会的に関心の高い研究内容であり、普及効果が期待される。

木材精油成分の化学修飾による木材保存技術の開発 H1618 木材利用課 ヒバ油などの精油に含まれる抗菌成分の効力を維持することにより、耐候性に優れた木材保存剤の開発を目指す。この方法として、精油成分を錯体化あるいはエステル化など化学修飾することにより、その欠点でもある昇華や光分解の抑制を図る。 A B -

成果としては優れているが、実用化にはもう少し克服する問題があり、今後の研究に期待したい。 

 低環境負荷の技術として、実用化に向けた検討が期待される。
材の変色を防ぐ高周波・蒸気複合乾燥技術の確立 H1718 木材利用課  高周波・蒸気複合乾燥法の乾燥温度、高周波印加条件等を見直し、材色の悪化を防止し、県産材の艶やかな色調を保つことのできる乾燥条件を検討する。 B B - 乾燥技術は木材加工技術の基本であるので、地味な成果であるがその有用性を評価した。今後国産材が重視される傾向にあるため、研究成果の利活用が期待される。

研究目標の達成度評価

A
:十分達成された(達成度80%以上)
B:おおむね達成された(達成度60%以上、80%未満)
C:部分的に達成された(達成度40%以上、60%未満)
D:達成に到らなかった(達成度40%未満)

研究結果利活用の見通し

A
:十分活用される研究成果である。
B:部分的に活用される研究成果である
C:現状では活用の困難な研究成果である。

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